行政についての訴訟判決

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  • ◆S50. 5. 9 大阪地裁 昭和48(行ウ)60 青色申告承認取消処分の取消等請求事件(7)◇

 

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は、「いかなる勘定科目に幾何の脱漏があり、その金額はいかなる根拠に基づくものか」をその記載自体から了知できる程度に明示されねばならないといえるのである。
これに対して、承認取消処分は、帳簿書類の備付けとその記帳が法人税法一二七条一項各号所定の取消事由に該当するものとして、承認を取り消すものであつて、個々の具体的数額が直接問題となるものではない。
元来、青色申告の承認は、事業年度開始の日までに所轄税務署長に法定の事項を記載した申請書を提出することにより、通常承認が得られる建前になつている。すなわち、法人税法一二三条の却下要件に該当しない限り、税務署長は、右申請を承認しなければならないし、また当該事業年度終了の日までに、当該申請の承認または却下がなかつたときは、当該申請の承認があつたものとみなされる(法

人税法一二五条)のである。
しかしながら、納税者において、全事業年度を通じ、法所定の帳簿書類を完備し、誠実にこれが記帳を続け、それに基づく正しい会計処理と所得計算をするのでなければ、この帳簿書類に即して課税標準等を算定することはもはや期待できないのであるから、そのような期待のできない場合には、青色申告の承認が取り消されるのもやむをえないといわねばならない。
このように、承認取消処分は、信頼性のある帳簿書類を完備、記帳していない納税者に対し、その張簿書類の信頼性の欠如を理由にこれが承認を取り消すものであり、個々の科目や数額を

その帳簿書類に直接関連させながら、遂一こくめいに摘示しなければならない必要性はまつたくないものである。
したがつて、承認取消処分と青色更正処分とはその性質を異にしているのであるから、これが処分通知書に理由を附記しなければならない程度も当然に異なり前者の場合は、後者の場合よりも理由が簡単であつてさしつかえないのである。
ところで承認取消処分は、青色更正処分のように種々の態様のものがあるのでなく、前に述べたとおり、帳簿書類の信頼性が欠如するに至つた場合に行なわれるものであるので、法律は、その取消理由を四つの類型に分けて具体的に

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