行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 8 静岡地裁 昭和48(行ウ)2 判定取消請求事件(8)◇

 

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ない旨主張する。しかし地公法第五〇条第三項によれば、被告のなすべき裁決の内容は、原処分の承認・修正または取消しの三種類のいずれかに限定されており、従つて原処分承認の裁決には、被告が職権調査により原処分を審査しこれを維持した裁決のみならず、原告のいう単に審査請求を棄却した裁決と趣旨を同じくする裁決も含まれること、また単に審査請求を棄却した裁決にも、審査庁が自らの職権調査に基き原処分とは異なる理由で原処分を維持した裁決が含まれることなどを考慮すれは、原処分を承認する裁決と審査請求を棄却した裁決との間に原告主張のごとき質的な差異があるものとは解し難い。そして原処分承認の裁決は審査請求を棄却した裁決と同じく、結局原処分を正当とした判断であつて、審査庁による新たな処分をなしたものではないから、原処分取消しの訴えとその処分

を正当とした裁決取消しの訴えとにおける判断の牴触を避けるなどの右行訴法の趣旨からすれば、原処分承認の裁決にも同法第一〇条第二項が適用され、その主張理由が制限されるものと解するのが相当である。
原告はその反論2において、本件裁決の取消し原因は一般行政処分の取消し原因よりも範囲が広いと解されるから、本訴には右行訴法の適用はない旨主張する。しかし原告主張のごとく被告のなした本件裁決の取消し原因を一般行政処分の取消し原因とは別異にそれよりも広く解すべき根拠はないというべきであるから、原告の右主張はその前提において失当であり、理由がない。


三 以上によれば、原告は本訴において、原処分の違法を主張することは許されず、裁決の手続上の違法等裁決に固有の違法のみを主張することが許されることになる。
ところで原処分の違法とは、前述した行訴法第一〇条第二項の規定の趣意からすれば、原処分を維持した裁決の実体的判断の内容に関する違法と解すべきである。換言すれば、違法な原処分を維持した裁決の事実の認定や証拠の取捨選択、認定した事実についての評価・判断の内容に関する違法は、右にいう原処分の違法に当たるというべきである。そしてこの場合、原処分の理由と異なる理由によつてこれを維持

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