行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 8 静岡地裁 昭和48(行ウ)2 判定取消請求事件(9)◇

 

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する裁決であつても、その実体的な判断内容に関する違法である限り、ここにいう原処分の違法に当たると解される。
そこで以下、原告が本件裁決の違法事由として請求原因第4項の(一)ないし(五)において主張するところを検討する。
その(一)は、被告が原処分の処分事由として審査の対象となしうるとした事実の範囲と、現に審査の対象とした事実の範囲にくいちがいがあるというものであつて、右主張は本件裁決の理由中に内在する固有の違法を主張するものの如くである。しかし右主張も、結局のところ、被告の原告に対する処分事由についての実体的判断の内容に違法があると主張することに帰着する。けだしその内容的違法として、右判断の対象とされた事実の範囲と被告が審査の対象となしうるとした事実の範囲とのくいちがいを主張しているにすぎないと解さ

れるからである。そうすると、原告の右主張は原処分の違法を主張するものというべきである。その(二)は、被告の事実認定および右認定の資料とされた証拠並びに被告の判断に違法があると主張するものであるから、これが前述の原処分の違法を主張するものであることは明らかである。その(三)は、被告の判断のうちで、原告の行動の評価の前提とされた事実の評価に誤りがあるというものであり、その(四)および(五)は、被告が原告に対する懲戒免職処分を承認した判断には、憲法第一四条第一項、地公法第一三条、第二七条第一項に反する違法があるというものであつて、いずれも、

被告の判断の内容的違法を主張するものであるから、これらもまた原処分の違法を主張するものというべきである。
そうすると、右(一)ないし(五)の事由は、すべて本件裁決の違法事由として主張することの許されないものといわなければならない。
しかして原告は本訴において右のほか、本件裁決の手続上の違法等本件裁決に固有の違法を主張・立証するところがない。
四 以上によれば、原告の本訴請求は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 松岡 登 宍戸達

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