行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 7 東京地裁 昭和48(行ウ)122 法人事業税更正処分取消請求事件(3)◇

 

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医療法人に対しては、その総所得のうち社会保険診療等による所得以外の自由診療による所得に対してのみ事業税が課せられるのであつて、右法条項の但し書の規定は社会保険診療等により所得をあげた医療法人に対してのみその優遇措置として適用され、欠損となつた医療法人に対しては同項本文が適用され、「各事業年度の所得は、各事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額による」ものと解すべきである。
右但し書を被告のように解すると、次のような極めて不合理な事態を招来することになる。すなわち、医療法人等の当該事業年度の総所得金額が赤字の場合は、法人税は課税されないのであるが、総所得金額が赤字であつてもそのなかに社会保険診療等による赤字額が含まれている場合は、その赤字額が総所得金額の赤字額から除外されて総所得金額の赤字額は減少し、場

合によつては総所得金額が黒字に転じ、法人税は課せられないのに法人事業税のみが課せられるということになる。それでは、医療法人等につき右但し書の立法趣旨が前記のように事業税に関しては法人税の場合よりさらに税負担軽減の優遇措置を講じようとするにあることとも矛盾して、まことに不合理というべきである。
5 ところで、本件更正処分はいずれも税額を零とするものであつて、その点では原告になんらの損失もないが、地方税法施行令二一条により繰越欠損金の算入が認められているので、本件更正処分により欠損金の減額がなされると、将来原告が負担すべき税額に影響

を及ぼすことが明らかである。
6 以上の次第で、原告の前記各年度分の課税標準となる所得は原告の確定申告書記載の欠損金額が正当であつて、被告の本件更正処分は違法であるからその取消しを求める。(ただし、地方税法七二条の一四第一項の解釈につき被告主張の見解が正当であるときは本件更正処分の数額の点は争わない。)
二 被告の認否と主張
1 請求原因1ないし3の事実は認める。ただし、被告が本件更正処分をしたのは昭和四七年八月一〇日付であり、審査請求棄却の裁決がなされたのは昭和四八年六月二二日付である。同4、5は争う。
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