行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 7 東京地裁 昭和48(行ウ)122 法人事業税更正処分取消請求事件(6)◇

 

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金に算入されないとの意味であつて、社会保険診療等に欠損金が生じた場合でも同様に解すべきであると主張するので、この点について検討する。
社会保険診療等の保護育成を図るために、医療法人に対しては租税特別措置法六七条一項により、法人税法上の特例として、各事業年度において社会保険診療等にかかる給付または医療もしくは助産につき支払を受けるべき金額がある場合には、当該事業年度の所得金額の計算上、当該給付または医療もしくは助産にかかる経費として損金の額に算入する金額は、当該支払を受けるべき金額の百分の七二に相当する金額とすることが定められている。
他方、法人事業税の課税標準である各事業年度の所得金額は、原則としてその事業年度の法人税の所得金額の計算の例により算定することと規定されているが(地方税法七二条の一四第一

項本文)、さらに、同項但し書により、医療法人の法人事業税の所得金額の算定においては、社会保険診療等にかかる給付、助産または医療について支払を受けた金額は総益金に算入せず、また、その給付、助産または医療にかかる経費は総損金に算入しないものと定められている。
そこで、成立に争いのない乙第一号証の一ないし三、第二号証の一ないし四、第三ないし第五号証の各一ないし三に証人Aの証言を総合して認めることのできる立法当時参議院における政府委員の立法趣旨説明並びに行政実務を参酌しながら右但し書の法意を考えてみるに、これは次のように解するのが相当で

ある。すなわち、地方税法七二条の一四第一項但し書の趣旨とするところは、社会保険診療等については医療報酬の単価が社会的要請から低くおさえられていることの見返りとして考慮されたものであり、ひいてはこれにより社会保険診療等の保護育成に資することを目的とするものと解される。したがつて、医療法人が社会保険診療等とそれ以外の自由診療との両方を行なつている場合、当該医療法人の所得金額を算定するには、前記但し書の規定を適用して社会保険診療等の経費は損金にみないし、また、支払を受けた金額は利益金とみないことになるので、結局、総所得金額または総欠損金額か

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