行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 8 静岡地裁 昭和48(行ウ)2 判定取消請求事件(6)◇

 

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であるから棄却されるべきである。
四 原告の反論
1 一般に審査請求に対する審査庁のなす裁決は、却下・棄却・原処分承認・原処分修正等各種のものが考えられる。本件の如き原処分承認裁決は、国家公務員法・地公法に規定されるものであり、単純な棄却裁決と同一視すべきではない。棄却は不服申立人の申立て理由が理由なしとされるのに対し、原処分承認は審査庁が職権探知により原処分を審査し、それが適法かつ正当として維持する積極的な判断である。従つてこの違法は裁決固有の違法として、裁決の取消しの訴えによるべきであるとされる。
原告は請求原因第4項(一)で主張した通り、審査の対象として被告の制限した処分理由に対する被告の判断が違法であると争つているのであるから、裁決固有の違法を争つているものといえる。
2 地公法

第五〇条二項は、人事委員会の判定のし方について、審査の結果に基いて原処分を承認・修正または取消すべき旨を規定している。そして、右取消しは当該処分が違法である場合または違法ではないが著しく妥当性を欠いている場合、修正はそれが違法ではないが処分者の裁量に不当な点がある場合、承認は処分が適法かつ妥当な場合にそれぞれなされるものである。そうすると、人事委員会のなした判定の取消訴訟においては、人事委員会が不利益処分が違法であるにも拘らずこれを適法とした場合、違法ではないが著しく妥当性を欠いているのに拘らずこれを承認した場合および違法ではないが裁

量に不当な点があるにも拘らず修正をなさなかつた場合はいずれも判定が違法とされるべきである。
抗告訴訟における行政処分の取消原因は、当該処分が違法な場合であり、裁量権のゆ越ないし乱用についてもそれが裁量権の限界を越えて違法とされる場合に限られる。公務員の権利・利益の保護という見地からみて、判定の取消し原因と行政処分の取消し原因とを比較すれば前者の方がより保護の範囲が広いということになる。そう解することによつて、行訴法第一〇条第二項が明文によつて「審査請求を棄却」した裁決とし、地公法第五〇条第三項があえてかかる文言を使用せず明文をも

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