行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(17)◇

 

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思われることなど、右Cの処分問題等に関する同訴外人の意見をも交えて、種々話し合つた。そして、右訴外人と原告は、かような話し合いを了えた後、世間話等を交わしながら酒食を共にし、約一時間程で右旅館を出た。なお、右旅館における酒食の飲食代金等は、全額原告において支払つた。
叙上の事実が認められる。しかしながら、叙上認定した以外に、Bが原告主張のごとき強迫と目し得べき言辞を弄したとか、右面談の際の同訴外人の言動が原告主張のごとき荒々しいものであつたかについては、右甲第四二号証及び原告本人尋問の結果中には、これを示唆するごとき部分もあるが、該認定に供した前掲各証拠と対比して、いまだ当裁判所の心証を惹くに足らない。
尤も、叙上認定の事実関係によつてみても、原告は、長男であるCの暴言問題やそれに対する原告自身の教

育委員長としての意見ないし処理方針などについて、Bが暗示したごとき諌早市議会における質問ないし追求を苦にしていたであろうことは、容易に推察できるところであり、もしそうであるならば、それが原告において辞職申出をするに至つた理由の一つとなつたであろうことも、また、これを推認するに難くないが、しかし、元来、地方教育行政を司る教育委員会の委員長としては、教育行政に関する事柄について市議会の質問を受け、場合によつてはその責任追求にまで及ばれることのあるのは、むしろ当然というべきであつて、よしや、それがみずからの親族(長男)の言動に基因する問題に

関連した場合であつても、何ら異なるところはない。そして、これに加えて、原告は、Bとの前記面談に際しては、自ら同訴外人を前記旅館に誘い、かつ、話合い終了後は雑談を交えながら酒食を共にしているところ、原告自身としても、教育委員長というその地位にふさわして識見を有する者であると推認できることなどを照らし合わせて考えると、Bが諌早市議会における質問ないし追求を暗示したことをもつて、直ちに、強迫にあたるということのできないのは、みやすい道理である。
そうすると、原告のなした辞職申出の意志表示に取消原因たる瑕疵があるということはできない(な

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