行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(18)◇

 

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お、単なる詐欺、強迫に基づく意思決定の瑕疵をもつてしては、いうをまたないところである。)。
三 1 次に、原告は、諌早市長が前記書面で同意の意思表示をする以前において、辞職の申出を撤回した旨主張しているところ、原告が、昭和四五年一二月二三日、同月三一日及び昭和四六年一月一七日に、諌早市長に対し、それぞれ原告主張の場所及び方法で、辞職申出(辞職願)を撤回する旨の意思表示をしたことは、当事者間に争いがない。
尤も、原告は、これより先の昭和四五年一二月二〇日にも、諌早市長に対し、辞職申出撤回の意思表示をした旨主張し、前掲甲第四二号証及び原告本人尋問の結果中には、右主張に照応する部分も存するけれども、該部分は、成立に争いのない甲第二及び第三号証並びに被告代表者尋問の結果と対比して、たやすく信用できず、他に、

右主張を首肯ぜしめるに足る証拠も存在しない。
2 これに対し、被告は、教育委員の辞職の場合にあつては、その辞職申出を撤回することは許されない旨を主張している。
しかしながら、元来、教育委員会の委員は、その任期中においても、当該地方公共団体の長及び教育委員会の同意を得るかぎり、任意に退職することができるものとされているところ(地方教育行政組織法第一〇条)、かように長及び教育委員会の同意が教育委員辞職の要件とされているのは、教育委員が、地方公共団体における教育行政の重要な執行機関である教育委員会を構成する者であるところから、公

の職務を担当すべき義務を一方的に破棄して、教育行政に空白の生ずることを避けるため、教育委員会と任命権者である長とに、その地域における教育行政上の影響に対して配慮する権限と機会を与え、その地位の辞職を教育委員会及び長の裁量にかからしめようとしたものにほかならない。従つて、教育委員の辞職に際して要求される長及び教育委員会の同意は、当該辞職の効力発生要件と解すべきこと、いうをまたないところである。しかるに、他方、教育委員は、その任期を四年と定められて(地方教育行政組織法第四条)、任期の経過後においては、地域住民の意思の推移に即応して逐次改任

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