行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(19)◇

 

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されることがある反面、任期中においては、一定の事由がある場合を除いては失職または罷免されないことにより(同法第七及び第九条)、委員の身分を保障されているのである。
かようにして、教育委員は、長及び教育委員会の同意を得るかぎり、その辞職が自由である反面、教育委員の任期は、教育行政の安定と教育委員の利益のために保障されるものであることにかんがみれば、一旦辞職の申出をした教育委員が、長もしくは教育委員会の同意を得られないために辞職の効果がいまだ発生しない時期において、該辞職の申出を撤回することは、それが、すでに当該辞職申出を基礎として新たに形成された公的秩序を恣意によつて動かすものであるなど、信義に反すると認められる場合を除いては、当然許されるものと解するのが相当である。
四 しかるところ、被告は、原告が

辞職申出の撤回をするに先立ち、諌早市長及び教育委員会において地方教育行政組織法第一〇条の同意を与えているので、右辞職申出はすでにその効果が生じ、これを撤回し得ない事態に立ちいたつていた旨主張し、原告は、これを争つているので、以下、この点について判断を加える。
(一) まず、教育委員会の同意の有無について検討する。
その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第一号証、並びに証人D及び同Eの各証言を総合すれば、原告は、昭和四五年一二月一五日に開かれた諌早市臨時教育委員会の審議を了

えた直後に、「いろいろ考えた結果、この際委員を辞任したい。」旨発言して、辞職の申出をなしたところ、原告を除くその余の委員らの反応としては、該辞職申出が原告の長男C教諭の暴言問題等に関してなされたのであれば、辞職までしなくても良いのではないか、という意見が大勢を占めたが、原告の辞意はあくまで固いと見受けられた反面、教育者たる原告の苦悩ないし立場も十分理解できるところであつたため、結局、原告を除くその余の委員の審議の結果、原告の右辞職申出に同意するに至つたこと、並びに、右辞職申出とそれに対する同意は、同日の議事録にその経過が記載されている

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