行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(21)◇

 

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を市長に提出した(右辞職願の提出自体は、当事者間に争いがない。)。右辞職願の作成日欄が空白のままにされていたのは、市長に都合のよい日付を記入してもらいたいとの、原告の意向によるものであつた。市長は、その際も、原告に対し、一応慰留を試みたが、依然原告の辞任の意思は揺がなかつたため、結局、原告から右辞職願を受理した。
(は)市長に、翌一八日、秘書課長を原告の勤務先であるJへ派遣し、原告の自筆で、右辞職願の作成日欄に、同辞職願が現実に提出された日である「一二月一七日」なる文字を記入させて、同辞職願を補完させた。
(に)さらに、市長は、D教育長と協議のうえ、原告の提出した右辞職願を原告を除くその余の教育委員全員の供覧に付し、原告より辞職願が提出されたことを周知させた。
(ほ)なお、市長は、右同日、D教

育長と原告の辞任に伴なう教育委員の後任人事について協議したが、原告の教育委員としての任期は昭和四六年九月末までであるところ、その当時の教育行政の状況からして、かような短期間であれば、教育委員が一名欠員の状態でも格別支障は生じない見通しであつたため、後任教育委員の人事を直ちに議会に提案するまでの必要にない、という結論に到達した。そこで、市長は、即時、諌早市議会議長に面接を求め、同議長に対して、原告から辞職願が提出されたこと及び当分の間右理由で後任人事についての提案はしない方針であることを報告した。
以上の各事実を認めることができる

。被告代表者本人尋問の結果のうち、右認定に反する部分は、たやすく措信しえず、、他に右認定を覆えすに足る証拠はない。
そこで、叙上認定の事実関係を基礎として考える。なるほど、地方教育行政組織法には、教育委員の辞職申出に対する当該地方公共団体の長及び教育委員の同意につき、その方式をことさら定めた規定は存しないから、右同意をするに際しては、必ずしも書面によるを要しないものというほかはない。しかしながら、右同意も、性質上行政処分たる行政庁の行為と解するのが相当であるから、単に当該行政機関の内部的な意思決定がなされたのみで、右同意があつた

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