行政についての訴訟判決

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  • ◆S50. 5. 9 大阪地裁 昭和48(行ウ)60 青色申告承認取消処分の取消等請求事件(17)◇

 

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類の備付け、記録保存の具体的内容につき、その五三条ないし五九条、別表二十、二十一に規定している。即ち、法人はその資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引につき、複式簿記の原則に従い、整然かつ明瞭に記録すべきことを命じ(五三条)作成すべき帳簿、書類として仕訳帳及び総勘定元帳(五四条)、たな卸表(五六条)、貸借対照表及び損益計算書(五七条)の五種類を定め仕訳帳及び総勘定元帳の関係については、別表二十の(一)ないし(十四)に、たな卸表については五六条二項に、貸借対照表及び損益計算書については五七条、別表二十一に、それぞれ記載すべき事項を詳細に規定している。また、帳簿書類の整理保存について五九条一項は、右各帳簿、書類のほか、資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引に関して作成されたその他の帳簿(一号、二号)、ならび

に「取引に関して相手方から受け取つた注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し」を整理し、五年間保存すべきことを規定している。
右のように、備付けるべき帳簿、書類等の種別が多様であり、かつそれらに記載すべき内容も多岐にわたつているのであるから、一号による取消処分をするに当つては、その理由附記の内容として、単に号数のみを記載するのみでは足りず、具体的に、いつからいつまでの期間内におけるいかなる帳簿、書類の備付けないし記録が不備であるのか或いは保存がなさ

れていないのかを特定しうる程度に記載される必要があり、右のような具体的記載を欠く理由附記は違法として取消されるほかはないと解すべきであつて、かく解することが一二七条二項による取消に理由附記を求めた法の趣旨、目的に合致すると考えられる。そして、このように解したからといつて、取消庁に苛酷な負担を課するものとは考えられない。
これを本件についてみるに、被告が取消理由の附記として一二七条一項一号を掲げたほか、「売上、仕入に関する記録等の保存ならびに記帳が不備である」と記載しているに過ぎないことは前示のとおりであつて、右記載は単に当該条項

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