行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(4)◇

 

前ページへ  次ページへ

職願を撤回する旨の意思表示をした。これに対し、教育委員会は、若干の曲折を経てではあるが、即日、原告の右辞職願の撤回を了承した。
ところで、元来、辞職願の提出は、それ自体で独立に法的意義を有する行為ではないから、当該辞職願に基づいて免職辞令が交付される以前においては、信義に反すると認められるような特段の事情が存しないかぎり、これを撤回することも自由である、と解すべきである(最判昭和三四年六月二六日民集一三巻六号八四八頁)。
しかるに、諌早市長は、かようにして原告が辞職願を撤回したあとである昭和四六年二月四日に至つて、初めて地方教育行政組織法第一〇条に定める「同意」の意思表示を明らかにするとともに、原告に対して免職辞令を交付し、爾後、行政上原告が辞職したものとして処理してきた。しかしながら、右同意ないし

免職処分は、原告が辞職の申出を撤回したのちになされたものであるから、それによつて原告に辞職の効果が生ずべきいわれはなく、それ自体違法、不当なものたるを免れない。
4 (一)ところで、諌早市長は、原告が辞職願撤回を再三にわたり申入れたことにより、原告に対して免職処分(辞職申出に対する同意)を行うに際し、原告においてすでに辞職申出を撤回していることを知悉していたわけであるから、故意によつて右違法な免職処分をなしたものというべきである。
(二) 仮りに、諌早市長が、原告の提出した辞職願を受理したことにより、地方教育行政組織法第一

〇条に定める同意の効果が生じたと誤認していたとしても、原告に対して免職処分をなしたことは、重大な過失に基因するものといわなければならない。けだし、教育委員会は、昭和四六年二月四日に至るまで、原告に対して教育委員長としての処遇を与え、他方、原告も、該処遇に応じ教育委員長としての職務を行つてきたが(その詳細は、後記「被告の主張に対する反論」で主張するとおり。)、諌早市長としては、少しその間の消息を調査すれば、当然、教育委員会が原告の辞職申出に対して同意をしていないか、もしくは、辞職願の撤回を認めたかのいずれかであることに容易に気付き得たは

前ページへ  次ページへ





おすすめサイト






-