行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(8)◇

 

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されるであろうことを示唆ないし告知され、これに畏怖して辞職願を提出するに至つたということ自体、にわかに首肯しがたいところといわねばならない。
(二) 同項(二)の事実のうち、原告は、昭和四五年一二月二三日、同月三一日及び昭和四六年一月一七日に、それぞれ原告主張の場所及び方法で、市長に対し、辞職願の撤回を申入れて、その返還を求めたが、市長は、いずれの場合も、右返還に応じなかつたこと、市長が、昭和四六年二月四日、書面をもつて、原告の辞職に同意する旨の意思表示を明らかにしたこと、以上の事実はいずれも認める。原告が辞職願を撤回するに至つた動機については不知。その余の事実は否認する。なお、地方教育行政組織法第一〇条に定める同意の法律的性質は、行政処分と解すべきでなく、公法上の契約の合意解除と目すべきであるから、右同

意の有無にかかわらず、元来辞職願の撤回は許されないものというべきである。
4 同第4項の事実は、全て否認する。
5 同第5項の事実のうち、原告の教育委員としての報酬が月額金一万三、〇〇〇円であり、その任期が昭和四六年九月末日までとなつていたことは認めるが、その余の事実は否認する。
三 被告の主張
1 仮りに、原告のなした辞職申出について撤回が許されるものと仮定しても、諌早市教育委員会及び市長は、これが撤回前に、地方教育行政組織法第一〇条の同意を与えているので、これにより、右辞職申出は有効に効果が生じ、原告はその

教育委員長としての職を失つたものというべきである。しかして、右同意は、元来無方式のものであるから、特に書面をもつてなされることが必要とされているわけではない。しかるに、諌早市長が、昭和四六年二月四日付の書面をもつて、原告の辞職申出に同意する旨の意思表示を明らかにしたのは、原告が右辞職の効果発生後も依然教育委員長であるかのように振舞う結果、教育委員会ひいては諌早市教育界に混乱が生じていたため、原告の辞職申出に対する市長の同意と、それによる原告の失職の効果を確認する趣旨でなされたものにすぎない。従つて、被告は、原告に対し、損害を賠償すべき

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