行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(9)◇

 

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何らの義務も負担していない。すなわち、
(一) 原告は、昭和四五年一二月一五日開催の教育委員会の席上で、教育委員会に対して辞職の申出をなしたが、教育委員会は、即日、原告を除く教育委員全員で審議した結果、右辞職に同意した。
(二) 次いで、原告は、同月一七日、市長宅を訪問して、諌早市長に対し、教育委員長の辞職願を提出した。その際、市長は、原告の辞意が固いことを確かめたうえ、「辞任を承諾しましよう。」といつて、辞職に同意した。この点に関し、原告は、市長は単に辞職願を受理した(預つた。)にすぎない旨反論するが、市長は、教育委員会が既に原告の辞職申出に同意していることから、教育行政については、市長と独立、対等の関係にある教育委員会の意向を無視することは相当でない、という判断に立脚して、原告の辞職申出に対処し

ようとしたのであるから、原告が辞職願を持参した際、市長のみが同意するかどうかの態度を保留して、単にこれを受理する(預かる。)にとどめるというがごとき挙に出る筈はない。
(三) さらに、市長は、翌一八日、秘書課長を原告の許に派遣して、空白のままになつていた辞職願の作成日欄に、一二月一七日と記入させた。これは、原告が辞職願の作成日欄を白地のままにしておいたのは、市長が辞職申出に同意する日を随意書き入れて貰いたいという趣旨に解されるところから、原告が辞職申出をし、かつ、市長においてこれに同意した右日付を記入させたものにほかならず、それ

によつて、原告自身としても、市長が右辞職申出に同意したことを察知し得た筈である。
(四) ところで、市長は、同月一八日、原告に辞職願の日付を補完させた後、D教育長と協議の上、教育委員全員に右辞職願を供覧し、市長が原告の辞任を了承(同意)し、辞職願を受理した旨を通知するための手続を取つた。さらに、市長は、教育委員の辞職は市議会の同意を必要としないが、その任命については市議会の同意を必要とする重要な人事であるので、市議会議長に対し、原告より辞職申出があつたこと及び市長としてもこれを承認せざるを得なかつたことを伝達した。これに対し、議

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