行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(14)◇

 

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して、少なくとも客観的に明らかな方法によることを必要とし、一般的には、行政処分の明確化をはかる必要性から、辞令書の交付によつてなされていることは、公知の事実である。
2 被告主張2の(一)の事実は、すべて否認する。原告のなした辞職申出の撤回は、信義則に反するものではない。これを詳論すると、次のとおりである。
(一) 原告が最初に辞職願を撤回したのは、昭和四五年一二月二〇日であつて、辞職願を提出した日の僅か三日後である。しかも、右辞職願の提出に対し、市長は、直ちに免職(同意)の辞令を交付することなく、暫くこれを預つておいて、時機をみて善処しようとの考えを示していたものであるから、被告の主張するごとき行政的な内部手続がとられたことは、まつたくない。そればかりでなく、原告は、次項で主張するように、その辞職

撤回後一ヶ月余にわたつて教育委員長としての職務を続け、諌早市及び教育委員会においても、原告を教育委員長として遇していたのであるから、原告の辞職申出によつてすでに何らかの行政秩序が形成されたということは到底できない。
(二) 原告は、その辞職願の撤回以降、諌早市及び教育委員会より教育委員長としての取扱いを受け、みずからもその職務を行つてきた。すなわち、
(い)昭和四五年一二月二五日の臨時教育委員会及び同月三〇日の定例教育委員会は、いずれも、原告の招集手続に基づき開かれ、かつ、原告において教育委員長として会議の運営に当つた。

(ろ)原告は、昭和四六年一月一五日、諌早市体育館で行われた被告主催の「成人式」に教育委員長として出席を求められ、同式に出席して、市長席隣の教育委員長席で最後まで参加していた。
(は)原告は、前記道具屋旅館で同月一七日に行われた諌早市長、諌早市議会議長及び同市商工会議所共催の「F氏の社会党書記長就任祝レセプシヨン」並びに諌早市商工会議所四階大ホールで同月二九日に行われた同市教育委員会主催の家庭教育学級大会に際し、それぞれ、教育委員長として出席を求められた。
(に)教育委員会は、同年二月二二日付文書で、原告に対し、同年三

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