行政についての訴訟判決

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  • ◆S50. 6.11 大阪高裁 昭和49(行コ)19 所得税青色申告承認取消処分取消請求控訴事件(6)◇

 

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五〇条一項三号違反の事由が発覚したのであるから、遅くともこの時点においては、すでに青色申告承認を取り消すことのできる法律関係は発生したわけである。またその後の経過は前項1ないし6のとおりであるからこの経過の下において再度の取消処分を受けても、これは、元来取り消されるべき青色申告承認が取り消されたにすぎないと見るべきであつて前記のごとく一たん発生した右取消権につき、時効ないし除斥期間の定めがない以上、已むを得ないところである。もつとも、ある年の違反事由が比較的軽微であり、しかも、その後相当の期間が経過している場合であるとか、或は、ある年の違反事由が比較的重大であつてもその後誠実な帳簿書類が長期間に亘つて作成されているような場合にまで違反時にさかのぼつて承認を取り消すことが権利の濫用として相当でない事例は考えられる


ところで本件の場合、被控訴人の主張するところによると、控訴人が昭和四三年一〇月国税査察官の調査を受けた結果、昭和四〇年分から昭和四二年分までの所得税に関し、判明した違反事実の内容は、(1)、控訴人は、その経営するパチンコ店二店舗、レストラン三店舗のうち、パチンコ店「B」については妻の弟Aが、レストラン「C」については妻がそれぞれ経営者であるかのように仮装して帳簿書類を作成し、右両名の名義で昭和四〇年分から四二年分までの確定申告書を提出していた。
(2)、レストラン「D」および「C」については売上伝票を二部作成し、そのう

ち一部は売上として帳簿に計上せずに売上除外していた。
(3)、パチンコ店「E」「F」および「B」については、各店の取引に関する記載をすべて焼却し、帳簿には実際より少い売上および経費を記帳して利益を過少に計上していた。
との事実であり、これを法一五〇条一項三号に該当するものとして本件取消処分をなしたというのであるが、控訴人は右取消処分に対し帳簿書類の保存期間経過による手続上の違法を主張するのみで、右実質的取消事由を争う趣旨は全く認められないから、控訴人も右実質的取消事由そのものを明らかに争わないものと解するほかない。してみる

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