行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 6. 9 岐阜地裁 昭和47(行ウ)3 行政処分取消請求事件(5)◇

 

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酬請求書を審査したうえ、診療担当者に対して診療報酬を支払うことを主たる業務とし(一三条一、二項)所管大臣から諸種の監督を受ける(二〇条以下)反面、法定の場合には診療報酬の支払を一時差し止める権限を有する(一四条の四)ものである。)からみて、被告が保険者から診療報酬の支払委託を受ける関係(同法一三条三項)は、公法上の契約関係であり、被告は原告に対し、直接に診療報酬支払義務を負うに至るものと解されるが、右は一般取引界における債権債務の関係をいうにすぎないのであつて、右公法上の契約自体から保険者の有する権限の委任(これは行政庁の行為によつてなされる)を導き出すことはできない。
ところで、本件審査は、診療担当者の診療報酬請求からその支払いに至るまでの過程の一環にすぎず、支払意思を決定する前提段階にとどまり、本件審

査自体は、内部的判断作用にすぎないものと解されるのであつて、本件審査はいわば一般取引界における債務者の債務確認行為と同様、その金額を内部的に確認する行為にほかならず、しかも、その金額をもつて診療担当者が請求しうべき金額とする規定も、その審査結果を外部に表白すべき規定もない。本件ではその減点につき、被告から原告に対し、増減点通知書が交付されているが、右通知につき、その根拠となるべき法令はなく、単に審査事務取扱規程準則、業務規程等に規定されているにすぎないところ、右は被告がその業務を行なうに当り、その準則を定めた単なる内部的なものにすぎな

いのであつて、右通知はいわば内部的判断行為たる本件審査の結果を診療担当者に知らせる意味において、それは事務処理上の便宜的な性質を持つにすぎず、右通知を以つて本件審査の行政処分性を認める根拠とすることはできない。
原告主張の本件処分いわゆる減点処分は、本件審査の結果とみることができるから、本件処分もまた行政処分性を持つものではない。
ちなみに、本件審査に関する法令には、その審査自体に一定の法的効果を付与することを認めた明文の規定がなく、また、被保険者の資格等に関する不服申立について定めた規定(健保法八〇条以下)にも審査自体に

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