行政についての訴訟判決

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  • ◆S50. 6.11 大阪高裁 昭和49(行コ)19 所得税青色申告承認取消処分取消請求控訴事件(2)◇

 

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務期間は、所得税法施行規則(以下規則という)六三条(昭和四七年六月大蔵省令五四号による改正前の規定)により五年間と定められている。右期間が商法三六条にいう一〇年間の保存義務期間を短縮して定められたのは、更正処分の除斥期間の最長期五年間に合せたものである。すなわち、青色申告者に対し、法定申告期限後五年を経過した場合には、いかなる更正処分をすることもできないのであるから、もはやその帳簿書類を保存させておく必要がなくなるのである。このように、青色申告者の帳簿書類の保存義務期間を短縮して五年間としたことは、所得税法上あらゆる場合に、その帳簿書類は五年間保存されているに過ぎないことを常に前提としているのであつて、右期間経過後の帳簿書類は同法上全く問題とされないのである。
(二)、税務署長は、所得税法(以下法という)

一五〇条一項各号のいずれかに該当する事実があるときは、青色申告承認を取り消すことができるが、税務署長が調査する青色申告者の帳簿書類は、その保存義務期間未経過のものに限られ、経過後の帳簿書類に法一五〇条一項各号のいずれかに該当する事実があつても、同帳簿書類を法は全く対象としていないのであるから、青色申告承認を取り消すことはできないと解すべきである。換言すれば、法一五〇条一項各号に定める取消事由が五年の保存義務期間を経過していない帳簿書類に存在することが、青色申告承認取消権の成立要件である。
(三)、原判決は、控訴人の右主張を排斥し

ているが、既述の如く、青色申告者の帳簿書類の保存期間が五年間と法定されているゆえ、あらゆる場合に、青色申告者の帳簿書類についてはこの五年間の保存期間を経過していないもののみを対象とすべきことを法は前提としているのであり、保存義務違反の場合に限り、五年間の保存義務期間が問題になるのではない。保存義務期間を五年間と法定した以上、五年間を経過すればもはや帳簿書類は保存されていないのが通常であり、法もそれを前提として帳簿書類に関する諸規定を設けているのであつて、保存義務期間経過後もたまたま保存されている帳簿書類を対象にしているのではない。もし

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