行政についての訴訟判決

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  • ◆S50. 6.11 大阪高裁 昭和49(行コ)19 所得税青色申告承認取消処分取消請求控訴事件(3)◇

 

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、保存義務期間を経過した帳簿書類をもその対象とするならば、右期間の経過によりこれを廃棄した青色申告者と、たまたま廃棄せずに所持していた青色申告者との間に著しい不平等を生ずることになる。
保存義務期間内に税務署長が調査して青色申告承認を取り消さないことが責められるべきであつて、なおかつこれを救済せんがために、法一五〇条一項三号の場合には保存義務期間と関係がないとすることは、保存義務期間の経過と同時に帳簿書類を廃棄する多くの青色申告者に比して不公平になるのみならず、帳簿書類の保存義務期間に関する規定を抹殺することにもなる。
(四)、最高裁判所は、青色申告承認取消通知書に付記すべき取消事由は具体的事実の記載を要すると判示し、右記載を欠く承認取消処分を取り消したが、保存義務期間経過後の帳簿書類に承認取消の事

由がある場合でも、期間の制限なくあらためて右承認取消処分をなしうると解するならば、税務署長はあらためて具体的事実を記載して適法に承認取消処分をなしうることになる。そして、その結果は、右上告審判決により納税者がいかに勝訴しても、青色申告承認取消処分の手続上の違法性については、納税者に実際上権利救済の途はないことになる。即ち、税務署長は、とりあえず取消事由である具体的事実を記載せずに安易に青色申告承認を取り消し、納税者を白色申告者にした上、除斥期間内に更正の理由も付記せずに更正処分をしておき、後日青色申告承認取消処分が判決をもつて取り消さ

れても、あらためて適法な承認取消処分をすれば事足りることになるが、これでは、右最高裁判決も、実際上机上の空論と同様になる。斯る許すべからざる結果になるのは、原判決のように誤つた法解釈に立つからである。
(被控訴人の主張)
(一)、更正処分の五年の除斥期間は青色申告者の帳簿書類保存期間よりも二ヶ月と一五日後に経過するものであるから、控訴人主張のように右帳簿書類の保存義務期間は更正処分の除斥期間と対比して五年間と定められたとするのは理由がない。青色申告者の帳簿書類の保存期間は、法一五〇条一項一号の保存義務違反を問う場合にのみ問

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