行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(26)◇

 

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争いのない甲第一〇号証の一、二によれば、諌早市教育委員会は、同年二月二二日付文書で、原告に対し、教育委員として同年三月八日諌早市公民館大講堂で行われる右委員会主催の第八回諌早市婦人大会に出席を求める旨の案内状を送付したことが認められ、この認定に反する証拠はない。
8 証人Dの証言によれば、諌早市教育委員会においては、その事務局職員に対して原告が辞職した旨をことさら公表したことはなく、また、原告の辞職を前提とした送別会を行つたようなことも格別存しないことが認められ、この認定に反する証拠はない。
そこで、叙上認定の事実関係を前提として考察するに、諌早市長が原告辞職後の後任人事について教育長と協議し、その結果を諌早市議会議長に報告したことは、原告の辞職申出という事態に即応するためになされた行政上の措置であ

ることは否めないが、右協議の結果は、原告の残任期が短期間であることもあつて、後任者を任命することはしない方針に落着いたというのであるから、原告が辞職申出を撤回した一二月二三日までの間に、原告の辞職申出に基づく新たな行政秩序が形成されたということはできない。また、市長が原告の辞職願を原告を除くその余の教育委員に供覧したからといつて、直ちに、その辞職願(辞職申出)の撤回が信義に反するといえないことは、明らかである。尤も、原告が辞職申出をした結果、当時諌早市議会で予定されていた原告に対する一般質問が中止され、原告が辞職申出を撤回する前に同市

議会が閉会された関係上、右辞職申出撤回後再び右一般質問を行う機会は失われることになつたことは、前叙認定したとおりである。しかし、かように一旦辞職申出をしながら、後日これを撤回し、少なくとも外形的にみるかぎり、諌早市議会における一般質問を免れるという結果を招来したことについては、よしや、教育委員(長)としての識見を問題にされる余地がまつたくないとはいいきれず、それがため地域住民の意思の推移を招いて、これが再任に当つて考慮さるべき事情の一つとなることはあり得ないことではないとしても、右一般質問を免れたという結果をもつて、直ちに、教育委員会

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