行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(27)◇

 

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、諌早市及び同市議会における行政秩序形成の問題とみることは、やはり飛躍にすぎるものというほかはない。また、これを原告の主観的な側面からとらえてみても、原告が辞職申出を撤回したのは、その辞職申出後僅か六日後のことであるうえ、元来原告が辞職申出をするに至つた理由は、前叙二認定のとおりであつて、ひつきようするに、教育委員(長)としての公的立場とCの父親としての私的立場の相克になやみ、かつ、市議会で公けに追求されることを嫌つたものと推認するのが相当であるところ、これに加えて、前叙五1ないし8の各認定事実からすれば、少なくとも諌早市及び教育委員会の事務当局においては、辞職申出後も原告を教育委員(長)として取扱つていたものといわざるを得ないが、かような取扱いが生じたのは、諌早市及び教育委員会の事務当局に原告の辞職が伝えられ

なかつたためと断ずるほかないことをも考慮に入えると、前叙四(一)認定のごとく教育委員会のみはすでに同意を与えていたことを勘酌してもなお、原告の辞職申出の撤回が信義に反し許されないものとまで解することはできない。
六 そうすると、原告のなした辞職申出は、諌早市長がこれに同意を与えるに先立つて有効に撤回されたものといわざるを得ない。しかるに、諌早市長は、右撤回が有効になされたことを看過して、昭和四六年二月四日、原告の辞職申出に同意する処分を行つたものであるから、諌早市長の右同意は、元来違法として取消を免れない筋合いのものである(なお

、原告は、右同意が無効の行政処分である旨主張しているが、瑕疵が重大かつ明白といえないことは、前叙説示したところによつても、すでに明らかである。)。そして、前掲甲第四二号証、証人Dの証言並びに原告本人及び被告代表者各尋問の結果によると、原告は、諌早市長が右同意をなした結果、教育委員(長)としての地位を失つたかのごとき外観を生ぜしめられたばかりでなく、その残任期(昭和四六年九月三〇日まで。)が経過したことにより、もはや右地位に戻る機会をも失わしめられるに至つたことが明らかである。従つて、原告は、諌早市長に故意もしくは過失が存するかぎり、被

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