行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(29)◇

 

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昭和四六年九月末日までであつたこと及び原告が同年二月当時教育委員(長)として月額金一万三、〇〇〇円の報酬を受けていたことは、当事者間に争いがない。
しかるに、前掲甲第四号証、同第九号証の一、二によれば、原告は、市長の右違法な処分により、二月四日までの報酬として、二月分金二、一六六円の支給を受けた以後は、二月分残金一万〇、八三四円及び三月分ないし九月分の合計金九万一、〇〇〇円の報酬を受けていないことが認められ、右認定を左右するに足る証拠はない。従つて、原告は、市長の違法な処分がなければ、同年九月末までは名実ともに教育委員長として取扱われ、その期間、右報酬を受け取ることができたにもかかわらず、それを支給されていないのであるから、右合計金一〇万一、八三四円は、市長の右処分に基づく損害と認めることができる。

2 次に、成立に争いのない甲第二号証、前掲甲第四二号証、証人Dの証言及び被告代表者尋問の結果によれば、原告は、昭和一一年四月、大阪府堺市で教員となつてから、その後長崎県に転任して来て、県内教員、校長、教育長、教育委員(長)(但し、昭和三九年一〇月諌早市教育委員に任命され、同四〇年一〇月に教育委員長に就任したことは、当事者間に争いがない。)として、長崎県の教育界にその一身を捧げて来た者であるところ、市長の右処分により、任期途中で、教育委員長たる地位を失つたと同様の結果に陥らしめられたこと、また、原告は、昭和四五年一二月二三日、同月三一

日及び昭和四六年一月二七日等の再三にわたり、市長に対し、辞職申出の撤回を申入れて、先に提出した辞職願の返還を求めたにもかかわらず、同年二月四日に至り、市長より、辞職申出に同意する処分を受けたものであることが認められ、右認定を覆えずに足る証拠はない。右事実によれば、原告が、その意に反して、約六年四ヶ月在任していた教育委員(長)の地位を、任期の途中で辞職したものとして取扱われ、これを甘受せざるを得なくなつたこと自体、永年教育に従事して来た原告にとつて、耐え難きことであつたといえるから、それに伴つて精神的損害も生じていると推認することができ

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