行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5. 9 長崎地裁 昭和46(行ウ)3 損害賠償請求事件(30)◇

 

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る。そして、原告の教育者及び教育委員(長)としてのかような経歴、諌早市における名望、辞任に至る経緯(なお、すでにるる認定ないし説示してきたごとく、原告が教育委員長として取り扱われなくなつた発端は、原告が教育委員会及び市長に自ら辞職を申出たことに起因するものであるところ、右辞職申出については、これがBの強迫行為によるものとまでは認め難いが、このことは、原告の精神的損害を算定するにあたり、損害額減額の要因として斟酌さるべきである。)、その他本件に顕われた諸般の事情を考慮すると、右精神的損害に対しては、金二〇万円をもつて慰藉するのが相当である。
3 ところで、原告は、名誉回復処分として、別紙謝罪文を新聞紙上に掲載することを請求しているので検討する。
いわゆる名誉回復処分としての謝罪広告の請求については、そ

の処分が必要で効果的であり、かつ判決によつて強制することが適当である場合にこれを認めるのが相当であつて、名誉毀損行為の反社会性の程度が極めて軽微な場合や、名誉毀損行為による被害が小規模にとどまつた場合には、かような名誉回復処分を否定することができるものと解すべきである。
これを本件の場合について考察するに、叙上認定の事実によれば、市長の違法処分は、帰するところ原告の辞職に同意するという態様のもので、懲戒的な性格を有しているものではないし、原告も、任期途中で事実上教育委員(長)の地位を退いたと同様の結果となつているが、それは、原告

の辞職願という行為に対応する形で同意があつたからであつて、原告の主観的な名誉感情を問題とするのであれば格別、社会的評価としての名誉(客観的名誉)侵害としてみるかぎり、仮りにそれがあるとしても軽微、小規模のものといわざるを得ないばかりか、その同意に関しては、市長に過失があつたことは否めないにしても、ひつきよう、辞職の効力の発生時期に関する解釈上の見解の相違に由来するものということができることなどの諸事情をかれこれ勘案すれば、原告の請求する名誉回復処分は、その妥当性を欠くものというべく、これが排斥を免れない。
4 弁論の全趣旨によれ

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