行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5.15 東京高裁 昭和49(行コ)38 異議申立決定取消請求控訴事件(4)◇

 

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つたらその明確な理由を表示しなければならない。他方、このような帳簿記録をつけない納税者は更正決定前に調査することが保証されず、標準率によつて更正決定される。その上後者に属する納税者は国税局に控訴することは許されない。」(同C(3))と勧告している。
そこで昭和二五年に前記所得税法の改正によつて、納税者が一定の帳簿書類を備付け所定の事項を記録し、その結果によつて申告を行なう場合には、一般の納税者の用いる申告書と違う青色の申告書を使用させ、青色申告書を提出した者のその提出を認められている所得については、その帳簿書類の調査を行なわない限り原則として更正を行なわないことを保証するとともにその更正にあたつては、更正通知書に、理由を付記しなければならないとしたのである。
すなわち、更正の理由付記は青色申告者が負

つている義務の代償として、とくに法律によつて与えられた租税優遇措置の一つであるとともに納税義務者の多くが記帳を行ない、これに基づき正しい申告と納税をするための誘引策であるともいえる。
したがつて、右のような義務か何等課せられていない白色申告者に対する更正については、その理由を付記する必要がないというのが、前記所得税法一五五条二項の趣旨であり、また、すでに確立された判例でもある(昭四三、九、一七最高裁判所四〇(行ツ)九一訟務月報一五巻六号七八頁、昭四四、三、二五大阪地方裁判所三九(行ウ)四〇訟務月報一五巻七号一〇二頁、昭四六、九、

一四大阪地方裁判所四一(行ウ)三八税務訴訟資料六三号五二九頁)
以上のとおりであるから、原判決が、白色申告者である被控訴人に対する更正について、理由の付記ないし告知を要求し、右理由付記ないし告知のなされていない本件においては、本件異議申立の理由が、単に「いかなる調査の結果によるものであるのか何等の説明もなく、一方的になされた更正処分は承服できません」というのみで何ら具体的な不服事由を主張していないのにもかかわらず、異議決定において、右異議申立の事由に関係なく、独自に相当の理由を付記すべきである旨判示したのは、明らかに、所得税法一

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