行政についての訴訟判決

行政についての訴訟判決

  • ◆S50. 5.15 東京高裁 昭和49(行コ)38 異議申立決定取消請求控訴事件(14)◇

 

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、その右欄には、更正前と更正後の各項目別(所得金額については、営業所得、他事業所得、給与所得総所得)に金額が記載してあるのみであつて、これをもつてしては、更正による所得金額が実額による課税であるのが、推計によるそれであるのかさえも明らかではなく、結局、その根拠は何ら示していないものであると認められるところ、これに対する異議申立ての理由についても、これに応じて原告が本件異議申立書に記載したことは、成立に争いのない乙第二号証の一ないし三によると、「いかなる調査の結果によるものであるのか何等の説明もなく一方的になされた更正処分は承認できません。」とあることが認められ、それ以上の不服理由の記載は、異議の対象そのものが明確でないところからなし得ないものであると認められる。しかるがゆえに、成立に争いのない乙第三号証によれば

、本件異議申立てについてその不服理由の補正を命じ、補正しなければ異議申立てを却下するとしながらも、被告は本件異議申立てを却下することなく、棄却したものと認められる(異議申立てを棄却したことについては当事者間に争いがない)。したがつて、本件異議決定には、前示理由付記の趣旨にそうよう相当の理由を付記しなければならないというべきである。
そこで、前記争いのない本件異議決定書に記載された理由についてみるに、被告が原告の取引先等について調査をして収入金額を推計したこと及びこれに同業同規模程度の平均的と認められる所得率を適用して所得金額を算

出したということは認められるので、この課税方法が実額課税ではなく、推計課税であるということは明らかであるものの、推計課税としては単に抽象的な方式を掲げただけのこととなるから、原告の場合につき、その収入金額をいくらと推計したものか、また、その所得率がどの程度であるのか、更正にかかる所得金額算出の根拠となつた具体的関係については、何らの理由説明がないことになる。したがつて、右のような理由の付記では、本件の場合、前記理由付記を要求する法の趣旨に適合せず、違法なものと解すべきである。
四 次に、被告の理由付記の瑕疵は治ゆされた旨の主張に

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